K
水から出てきているだけでもトリッキーなのに、こんなに美しいなんて、ずるい花だ。 K.
裏切られないためには、愛さないこと。愛さないためには、期待しないこと。 K.
存在の証明。存在の虚しさ、影の強みと、脆さなど。 K.
今日と明日の狭間。できるならじっとそこに挟まっていたい潰れた感情を、猫は見ている、猫は見ていた。 K.
物語の死を、誰も弔ってはくれない。結末は彼と手を組んで、物語をにべもなく葬り去る。 K.
君は何だ、あれは誰だ。デジャヴか幻、それともただの妄想か、紛れもない現実か。目を反らした瞬間、彼もそれも、たちまちただの銀の粒。 K.
雨上がりの虚しい双子。 K.
いつか雪の降る日を忘れ、身体の中の臓物がじわじわと縮む時、また白々と夜が明け、また粛々と日は落ちて。 K.
もう春かと油断した1月某日。一転、迫り来る大寒波。まだ2月もあるのよ、と風が笑って。 K.
僕のための幸福だ。歩いても、転んでも、どこまでも暗いだけの道でも。 K.
しく想えば、美しく見えるのか。美しく生きたら、美しく死ねるのか。散り行く最後さえも、誰一人微笑みはしないと、心は濁流を飲む。 K.
幸せは途切れる。音楽が小さくなるように、風が止むように。 K.
隣を歩く幸せと、一人きりになる寂しさを。 K.
変わってしまうものの背中、変わらないものを追う指先。次は何時、と震える声に、次が来る、と暁光は粒子で答え。 K.
開かれた悲しみ、閉じた怒りの先。空咳の焦燥に、冬風は冷淡に囁く。 K.
鳥の目線、鳥の気持ち。羽のない私、地上を這う感情線。 K.
慌ただしい秋の終わり。もっと美しいものをたくさん見なければ、と今際の際みたいなことを思う冬。もしくは、それは冬故に。 K.
紅葉。こそこそ。 K.
幸せの虚像、実在したはずの祈り。 K.
過ぎ去りし時間。思い出せない誰かの顔。知らないのに知っている人を、せせら笑う声。 K.
立ち向かうより、諦める方が早い。手に入れるより、捨てる方が早い。そうして空っぽが一人、秋をちぎっている。 K.
器用にするする生きている人が羨ましくもあり、たとえ不器用でも自分に誠実な人を慕いたくもあり。 K.
目眩のする秋。誰も泣かない日などない。 K.
たとえそれを失ってとしても、何も愛さなかったよりマシらしい。けれど、さよならの手はいつも震えてばかりいる。 K.
キラキラの古都(控えめ) K.
ライトアップイベントで影を探す。 K.
自由と理由の、由の狭間。知る由もないんだ、と吐き捨てて。 K.
嫌いなもの、好きなもの。食べてみたら美味しいもの。会っても会っても、親しくなれない人。 K.
舞台は一人きり。喚いても、倒れても。 K.
忙しない朝、何者かへの挨拶。 K.