モノの価値とは何だか不思議だ。石器時代にスマホは全く使えないし、それより火が欲しいのだろう。足のなくなった椅子は何故こんな道のど真ん中に。私に必要無いだけでおそらく誰かにとっては。 Y.
いつか雪の降る日を忘れ、身体の中の臓物がじわじわと縮む時、また白々と夜が明け、また粛々と日は落ちて。 K.
注げよ水。静まれ熱。 Y.
もう春かと油断した1月某日。一転、迫り来る大寒波。まだ2月もあるのよ、と風が笑って。 K.
楽しむ為だけの人生なら、何故泣きながら生まれた。 Y.
注ぐモノは情熱と、少しの謙遜を加えて。 Y.
絵の森でその会話を聞く。見えない作家を見ながら。 Y.
便利さの果てに、眠りそうな鉄くず。 Y.
僕のための幸福だ。歩いても、転んでも、どこまでも暗いだけの道でも。 K.
しく想えば、美しく見えるのか。美しく生きたら、美しく死ねるのか。散り行く最後さえも、誰一人微笑みはしないと、心は濁流を飲む。 K.
幸せは途切れる。音楽が小さくなるように、風が止むように。 K.
隣を歩く幸せと、一人きりになる寂しさを。 K.
変わってしまうものの背中、変わらないものを追う指先。次は何時、と震える声に、次が来る、と暁光は粒子で答え。 K.
開かれた悲しみ、閉じた怒りの先。空咳の焦燥に、冬風は冷淡に囁く。 K.
そこに在るということ。時間の流れを感じることを忘れずに。 Y.
鳥の目線、鳥の気持ち。羽のない私、地上を這う感情線。 K.
勇ましさとは、姿ではなく人生に現れるらしい。動物で言うならば、それは種の歴史。ひとは果たして勇ましい歴史を。 Y.
慌ただしい秋の終わり。もっと美しいものをたくさん見なければ、と今際の際みたいなことを思う冬。もしくは、それは冬故に。 K.
紅葉。こそこそ。 K.
自然は偉大だ。自然は厳かだ。自然は恐ろしい。自然は艶めかしい。言葉にすればするほど、薄れていく気がする。 Y.
幸せの虚像、実在したはずの祈り。 K.
ただ椅子があるという、存在の確かさ。その存在をどう感じるか。 Y.
でもスムーズに進むよう仕向ける世の中に逆流しようとする。何でも反対したいわけじゃない。世の中に従うことを疑っているだけ。 Y.
街はどれほどの痛みを受ければ、我々に反抗してくるのだろうか。 Y.
過ぎ去りし時間。思い出せない誰かの顔。知らないのに知っている人を、せせら笑う声。 K.
一瞬の輝きを置いて、その道を現す。 Y.
立ち向かうより、諦める方が早い。手に入れるより、捨てる方が早い。そうして空っぽが一人、秋をちぎっている。 K.
不意をついた顔。 Y.
器用にするする生きている人が羨ましくもあり、たとえ不器用でも自分に誠実な人を慕いたくもあり。 K.
何でも白黒はっきりつけられたらどんなに良いか。 Y.